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2024.8.28

コラム

令和の米騒動

メディアの過剰報道

先日こんな記事がありました。 「コメ不足」SNS・メディアあおりすぎで品薄に拍車か

猛暑で2023年産米の生育不足による流通量の減少が原因で、2024年8月日本中で米が不足し始めました。そこでメディアは米がないと必要以上に煽り、家庭が米を買い占め、スーパーが購入制限したことでさらに米が不足しました。最近、マスコミが世の中を煽ってパニック状態になって、現状がさらに悪化するという状況が非常に多いと思います。(マスコミは国民が興味をひくことを狙って報道していることは分かりますが、煽りすぎは危険になってしまうということですね)台風も地震も必要な対策をとっていれば問題ないので、煽りすぎるメディアの情報を鵜呑みにしすぎないように注意してください。

米農家と減反政策

ここからは将来米農家になりたいひとのために書きます。

戦後の食糧難の時代は、米の生産量引き上げが国全体の課題でした。食料が不足しているわけですからね。昭和40年代に入ると肥料や農業用機械の導入が進むなど技術革新が起こり、米の生産量を大きく引き上げることに成功し、米が日本の家庭の主食となりました。その後、アメリカが統治してきた影響もあり、日本人の食卓の欧米化が進行したことで、パンを主食とする日本人が増え、「米離れ」が加速。今ではパンやパスタやラーメンばかり食べている人も少なくないと思います。

食の欧米化が進むと生産量を増加し続けてきた米が余るようになり、米の生産計画は大きな見直しが必要になりました。そこで出てきたのが、米の生産量を抑制する代わりに農家の収入を安定させる「減反政策」です。米を作りすぎると値段が下がります。逆に米の生産量を決めて売れば値段が下がりすぎることを防げるということです。

減反政策の廃止

2018年に50年続いた減反政策が廃止されました。理由としては、減反政策によって少ない作付面積でも収入を得られるように、高く販売できるブランド米を栽培する農家が増えたため、業務用の米が不足するようになったことが原因の1つです。引用: minorasu 業務用の米の量が減ってしまったため、業務用の米を多く必要とする外食チェーン店やコンビニなどでは値上げや小型化などに踏み切り、米不足に対応していました。某コンビニエンスストアではおにぎりの中が空洞になっていて、物議を醸したこともありましたね。

また、減反政策に従えば補助金が入り米農家の生活が安定する一方、自由な発想に基づくコメの生産が妨げられ、市場での競争力が付かないことが指摘されてきました。今では海外産の安い米の輸入に頼っています。これらの理由から50年続いた減反政策が廃止になりました。

米農家のこれから

米の消費量は1962年をピークに減少し続けており、それに伴って作付面積も減っていますが、米は輸入しています。減反政策が廃止されたことによって、農家は自身の判断で生産量や米の種類を選択できるようになりましたが、結局実質的な生産調整は続いているということですね。山下 一仁によると、減反政策の廃止は農水省が生産数量目標を指示しなくなっただけで、補助金を出して減反するという基本政策はむしろ拡充されているといいます。財政負担を少なくしたい財務省の思惑と米の生産を減らして米価を上げたいJA農協の思惑が一致してしまったのです。JAでは60kg当たり1,500円〜2,000円程度の経費が控除されており、近年この手数料を引き上げているところもあります。米価の安定・上昇は、JAの経営基盤の安定化につながる可能性があります。米の価格が上がれば農家の収入が上がり、農家がよりJAのサービスを利用したり、関係が深くなる可能性があるということです(JAにはメリットが多いですね)

米農家はこれから需要は高いものの単価が低い加工用米や、飼料用米などの収穫時期の異なる多品種を栽培することにより、少ない人員と機械で効率的に多量の米を栽培、収穫が求められてきます。また、販売経路もJAに頼るだけじゃなく、個別の販売ルートも活用しながら売上を確保していかなければなりません。 JAをどのように利用するか 、メリットとデメリットを把握して利用することが求められます。